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「成功するインド株」
著者 高橋正樹氏 特別インタビュー
 『成功するインド株』著者インタビュー、本年の連載は今週が最後となりました。「超大国の成長市場」のテクニカル分析 ‐その1‐をお届けします。次回は来年2006年1月13日(金)更新予定です。13日の金曜日が来年のスタートって、何だか強烈な感じがしますが、来年もよろしくお願いします。
連載初回から読む
第17回 「超大国の成長市場」のテクニカル分析 −その1−

今回からは、投資成果をあげるために、「銘柄の投資価値」とそれを評価する側である「市場の期待」の両方をイメージすることを勉強していくんですよね。
高橋 ええ、そうです。よく覚えていましたね。って、さきほどの続きですしね(笑)。
2週分のインタビュー後半戦ですもの...。難しいお話の連続で、私、もう頭がパンパンって感じですし…。
高橋 まあ、そう言わず、先に進めましょう。このインタビューが終わったら、次回のインタビューは年明けですから、しばらくゆっくりと復習ができますよ。
えっ? 12月23日は、このサイトを更新させないつもりなんですか?
高橋 だって祝日ですよ。それにクリスマス休暇の時期じゃないですか。
私は毎年毎年、23日だって24日だって25日だって仕事なんですよ。クリスマスなんて関係ないんですっ!何が聖夜だい、こちとら仏教徒ぢゃい!
高橋 まあまあ、そう興奮しないで...一息ついて、これまでの話しを是非整理してみてください。次は年明けにしましょう。ほら、向こうで御社のおエライ方もうなずいてます。「オレたちも休みたい」って...。
おかしいなぁ、ウチの上司、元旦まで音楽仕事絡みで、フル回転のはずなのになぁ。わかりましたよ…。年明け1回目は、高橋さんがインド出張で仕入れた最新事情からってことで。では、お疲れ様でした。
高橋 だから、今日はまだ終わりじゃありませんって。
あ、そうでした。そうでした。仕事しなきゃ。
上司(今週も登場) そうそう、来年はきっとイイことがあるよ。手相にもそう出ているぞ!
ありがとうございます(泣)。では気を取り直して...今週はある投資家が、「すごく投資価値がある銘柄だ」と思っても、その市場の評価がどのくらいのスピードで実現するかは、市場参加者がどんな姿勢で投資価値を織り込んできているかによって違うので、それをテクニカル分析で把握しようというお話をなさるんでしたよね。
高橋 その通りです。イメージ・トライアングルとテクニカル分析を組み合わせることで、より実践的に「超大国の成長市場」に投資するための手法を学んでいただければと思っています。
テクニカル分析とは、「市場の心を読む」ということでしたね。投資家によるその企業への将来の期待が、ものすごく膨らんでいる途中なのか、それとも膨らんだ期待がしぼもうとしているのか、しぼんだ期待がまた膨らもうとしているのか、ずっとしぼんだままなのかをイメージするためのものですよね。
高橋 おおっ、ちゃんと理解しているじゃないですか。すばらしいです。
さすがに、さっきうかがったばかりですから…。
高橋 フォー!(喜び)そりゃ、そうですよね。
あんまりからかわないでくださいよ。
高橋 失礼しました。さて、今、おっしゃったように、テクニカル分析は、市場で期待がしぼもうとしているのか、膨らもうとしているのか、その方向性はもちろんのこと、その期待が膨らむ度合いの大小と言いますか、強弱まで分析するんです。
「市場の期待が膨らむ度合いの大小と強弱」って、難しい表現ですね。
高橋 そうですね。もうちょっと詳しく言うと、期待はいつも直線的(線形)に形成されているとは言いにくいんです。悩ましく日々揺れ動いているんです。様々な欲望と不安がぶつかり合って期待支持率が推移しています。
と言うことは、株価が上がるのか下がるのか、投資家の期待が強すぎて今の株価が高すぎるのか、逆に期待が薄すぎて安すぎるのかなんてこともわかるんですか?
高橋 いいところをついてきましたね。実は、そうなんです。専門用語では、トレンドとモメンタムと言うんです。
トレンドとモメンタム、ですか? あの〜、私、英語があまり得意じゃないんで、日本語で言っていただけませんか?
高橋 別にわざと英語で言っているわけじゃないんですけど…。相場には方向性と振幅という二つの要素があります。これを意識しながら株価の推移を見て、どんな姿勢で期待が織り込まれているのかをイメージしていくんです。方向性がトレンド、振幅がモメンタムです。
トレンドは株価が上がるのか下がるのか、モメンタムは株価がものすごい勢いで上がるのか、それとも緩やかに上がるのか、みたいなことですか?
高橋 はい、その通りです。すばらしい。
その言葉って、株価だけじゃなく、ファンダメンタルズを説明する時にも使いますよね?
高橋 おおっと、スゴイ。よくご存知!
ええ、この間、某マネー誌を読んでいたら出てきました。便利な言葉ですよね。
高橋 なので、株価モメンタムとか株価トレンドという使い方をしたりもします。テクニカル分析をするための指標には、株価のトレンド、つまり方向性を捉えるのに便利なものと、株価の振幅を捉えるのに便利な指標があります。
トレンド系のテクニカル指標とかモメンタム系のテクニカル指標という言い方をしますね。
高橋 それもマネー誌で読んだんですか?
そりゃそうですよ。そうでなかったら縁遠い言葉ですもの...。
高橋 そうですね。株価のトレンドを捉える指標では、上昇トレンドのはじめと終わりを早期に見極めるのは至難の業です。さらにモメンタムを捉える指標だと、売買のタイミングはつかみやすいものの、株価が勢いつく場面では調子が狂ってしまうのが弱点だとされています。勢いのよい上げ局面の始めで売らされたり、ガンガン下落していく局面で買わされたりすることもなきにしもあらずです。
それぞれに長所と短所があるんですね。
高橋 一般的にはそういうことです。だから、トレンド系の指標とモメンタム系の指標を組み合わせて使うのが、テクニカル分析のポイントだといえます。
組み合わせですか…。その前に、どんな指標があって、それがトレンドを捉える指標なのか、それともモメンタムを捉える指標なのかがわからないんですけど。
高橋 あ、そうでしたね。一言でテクニカル指標と言っても、種類はたくさんあるんですよ。それをいっぺんに説明すると混乱してしまいます。
そうですよね。出来るだけ分かりやすくお願いします。
高橋 あんまりたくさんの指標を組み合わせると、理解できなくなる恐れがあります。なので、私が「これだ!」と思っているテクニカル指標をご紹介し、それをどう組み合わせていくのかを説明しましょうね。
ええ、そうしていただけると助かります。
高橋 じゃあ、早速ですが、今回は前に予告した通り、移動平均線の説明をしましょう。
あのラインが2本あるヤツですね。ネットで株価チャートを見る時に、一番よく見かけるパターンのような気がしますけど…。
高橋 そうかもしれませんね。移動平均は、株価のトレンド(方向性)を捉えるテクニカル指標の代表選手みたいなものだからです。株式投資の教科書的な説明をすると、移動平均線も売買のチャンスを見つける際に、しばしば利用されています。
「売買のチャンス」なんて、そりゃあ、ドキドキする言葉ですね。
高橋 そうですね。ちなみに、移動平均線は、過去の一定期間の株価の平均値を表したもので、相場の方向を示す指標ということになります。短期の移動平均線と長期の移動平均線を使い、その位置関係で売買の判断をします。
短期の移動平均線と長期の移動平均線って、どういうことですか?
高橋 たとえば、日本株のチャートなどでは、日足のチャートでは5日移動平均線と25日移動平均線、週足のチャートでは13週移動平均線と26週移動平均線が表示されていたりしますよね。
確かにそうですね。5日と25日、13週と26週を組み合わせるのが決まりになっているんですか?
高橋 そういうわけではありません。移動平均線を使う際の技術的なポイントは二つあります。一つはどの期間の移動平均を使うかということ。二つ目はその移動平均から現在の株価がどんな離れ方をしているかというところにあるんです。
それは、どういうことですか? わかりやすく教えてください。
移動平均高橋 了解しました。左のチャートを見てください。
あれっ、移動平均線が30日と100日になっていますね。
高橋 そうなんですよ。移動平均は期間設定がポイントなんです。先ほど、5日と25日という話が出ましたよね。あれは、それが経験則的に適した期間だとされているからなんです。
へぇ、そうなんですか。決まりというわけじゃないんですね。
高橋 そういうことです。そう考えると、投資対象や銘柄、相場環境、投資家が狙う投資期間によって適した期間は異なってくるはずですよね。私は、アジア株のような成長市場の株式に投資をする場合には、短期を10日、長期を30日とか40日にしています。もちろん、これも私の経験則から得た数値ですが、アジアの成長市場の株式の場合には、最大公約数として有効な数値なんですよ。
そういうものなんですね。いやぁ、目から鱗がおちました。ところで、インドのセンセックス指数と中国のH株指数を比べてみると、同じ期間の移動平均線とはいえ、形がずいぶん違いますよね。
高橋 ええ。指数で見てみると、この2つの市場のキャラクターの違いがわかりやすいでしょう? もちろん、それぞれの市場の個別株を見ると、また違うんですけどね。
それはわかる気がします。だって企業ごとにキャラクターが違うのは、当然のことですものね。
高橋 冴えてきましたね。
いよいよ佳境って感じですからね。それはさておき、H株指数とセンセックス指数をテクニカルで分析してみると、性格の違いがはっきりとわかるというのはおもしろいですね。
高橋 そうでしょう!? ただ、株価だけを見ているとわかりにくいことも、テクニカル分析をしてみると見えない側面が浮かび上がってくるんです。軽く感動しますよ。特に、移動平均線は、ごちゃごちゃして、わかりにくい株価をならしてみたらどうなるのかという発想で作られているので、方向性が捉えやすいんですよ。
株価の短期的なブレをならしたものが、移動平均線だってことですね。
高橋 そういうことです。ということで、移動平均線についての基本的な説明はこのへんまでにします。ここからは、センセックスとH株指数を見て、先ほどお話したインド株と中国株のキャラクターの違いについて説明していきたい……んですが、長くなりそうなので、次回にしましょうか。
はい、わかりました。ところで、ひとつうかがってもいいですか?
高橋 何なりとどうぞ。
じゃ、お言葉に甘えて…。インドって、象も荷物の輸送手段のひとつだから、象が車と並んで自動車道路を歩いているんですよね?
高橋 えっ? それ、いつの時代の話ですか?
最近の話だそうですよ。つい先日、取材で聞いた話です。
高橋 へぇ〜、象使いの人にでも取材をしたんですか?
ちがいます、インドに詳しいエコノミストの方にうかがったんです。それで、インドでそういう場面に出くわしたら、写真を撮ってきていただけないかと…。
高橋 象の写真ですか?でも一体ナゼ象なの?
このH株指数のチャートって、なんだか象を横から見た形に似てるじゃないですか。それで思い出したんです。
高橋 おおっと、株価チャートでイメージがそこまで膨らむとは、恐れ入りました。 『成功するインド株』
誉められているのでしょうか、私。
高橋 株価が示す投資家たちが織り成す期待の推移の見えにくいところを、テクニカル分析によってイメージしようというのが、私の本当に言いたいことです。ですから、あなたには才能を感じます。
一年の締めくくりにお褒めいただいて、光栄です。
高橋 これで、良いお年を!と締めくくるとキレイに決まりますね。
一同 それでは読者の皆様、良いお年をお迎え下さい。


>>来年に続く


「成功するインド株著者 高橋正樹 氏 特別インタビュー」 記事一覧
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  第2回 インド株って何 ?
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  第10回 インド株ADR(米国預託証券)の投資のコツを教えて下さい。
  第11回 インド株と中国株はどちらがお買い得?---インドと中国の株価形成の違い −その1−
  第12回 インド株と中国株はどちらがお買い得?---インドと中国の株価形成の違い −その2−
  第13回 金融派生商品(デリバティブ)の使われ方
  第14回 『超大国の成長市場』の株価判断
  第15回 「イメージ・トライアングル」の使い方
  第16回 「銘柄の投資価値」と「市場の期待」をイメージする
第17回 「超大国の成長市場」のテクニカル分析 −その1−
  第18回 「超大国の成長市場」のテクニカル分析 −その2−
  第19回 「超大国の成長市場」のテクニカル分析 −その3−
  第20回 「超大国の成長市場」のテクニカル分析 −その4−
著者近影 著者PROFILE
高橋正樹 たかはし・まさき
現職は「岡三証券・アジア情報館・シニアストラテジスト」。
元:アイザワ証券投資リサーチセンター・アジア担当ストラテジスト(本書執筆時)。
1963年生まれ。
日系投信会社、米系投資顧問会社を経て、2005年10月より現職。
ファンドマネージャー時代の全米運用パフォーマンスランキングは、2002〜2003年の2年間でアジア株部門が100社中35位、インド株部門24位(2003年のみでは12位)。この成績で注目を集め、日本では数少ないインド株投資経験者としても知られる。インド証券取引所の招きで精力的にインドの企業訪問をするなど、インドの最新情報にもくわしい。
国際公認投資アナリスト
日本証券アナリスト協会検定会員、検定テクニカルアナリスト


書影
書籍DATA
The Secret Of Success For The Indian Equity Investment
成功するインド株
出遅れない・失敗しない投資のための基礎知識
高橋 正樹 著
定価 1,575円
判型:四六判/並製
ページ数:192ページ
初版年月日:2005年08月23日
ISBN:4-7572-1141-4
 
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