特集
水道橋博士
×唐沢俊一
特別対談「博士の異常な健康」鑑定!
第6回 博士の愛した加圧式
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  第1回 発毛・育毛
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  第3回 胎盤エキス
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第6回 博士の愛した加圧式
書籍DATA
博士の異常な健康

博士の異常な健康
水道橋 博士 著
四六判・並製・306ページ
ISBN 4-7572-1248-8
定価 1,365円
 
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 稀代の健康マニア=水道橋博士(浅草キッド)が贈る、前代未聞の「異常」な健康読本がついに完成!

 博士がすべて自ら体験取材して書き下ろした本著は、目から鱗の一冊になること間違いありません!

 『健康本とは、死をゴールと見据えた「遺書」であり、生への執着を後世に残す「医書」である。そして、この本の目指すところは、完全なる実用書であり、有限の貴方の余命すらも、劇的に変えうる可能性もある、“平成の解体新書”を自負するものだ』。
 
博士 加圧トレーニングについてですが、僕はその効果に物凄く自信を持っています。ただ、うち(オフィス北野)の社長なんかは僕の本を読んで言うわけですよ。「なんで水道橋に筋肉がそんなに必要なの?」って。
唐沢 仕事でも別に過剰な筋肉は必要ないですもんね。
博士 加圧が誤解されやすいのは、まさにそこです。アスリート専門のように思われがちなんですが、本の中でも書いたように、加圧トレーニングをしている人の多くは女性です。つまり、短時間で筋力アップできるということより、成長ホルモンが出ることで、アンチエイジングやダイエットに有効という点を重要視しているんです。それに老齢の方でも、軽い負荷なので関節や筋肉を痛めたりしない。血流を制限することにより、毛細血管や末端細胞を新たに作ることで、脳の疾病、身体の麻痺などのリハビリに効果を発揮するという点にこそ、このトレーニングの特長、未来性があります。
唐沢 なるほど。確かにリハビリの方法としてはかなり画期的だと思います。そういう真っ当な利用目的があるのならいいんだけど、恐ろしいのは「筋肉マニア」と呼ばれる人種で。彼らは効果があるとわかったら、いくら警告しても絶対に無謀なことをやっちゃうじゃないですか。ボディビルダーが、まさにその典型で、一部には悲惨な死に方をする人もいますからね。
博士 マッスル北村さんも亡くなられましたね。以前『果てなき渇望 ボディビルに憑かれた人々』(増田晶文著)とという本を読みましたが、見ている方は、筋肉マンというと何かコミカルに感じるんですが、当の本人たちは一種の宗教色を帯びるほど入り込み方は壮絶ですよね。
唐沢 たとえば身体から水を抜くことで筋肉の線がシャープに出ると聞くと、水を抜く薬を山ほど飲んだりね。あげくの果てに細胞が水を排出しきってしまい、その排出された水が肺に行って溺れ死ぬという悲惨な事故も起こっています。
博士 それに比べて、加圧トレーニングは正しいやり方さえすればまず安全だし、何より、その場で効果が目に見えて分かるのがすごい。一度でも体験したら、その効果を実感されると思います。
唐沢 でもホント、健康法を紹介する人ってそれにどっぷりハマっている人とか、信じ込んでいる人とかがほとんどなので、博士さんのように冷静なスタンスで健康本を書く人はすごく貴重だと思います。意外にも怪しげでない。何よりネタのためにここまでするのは、お笑いの人しか出来ないですよ。僕はすべての健康法はSMのMだと思っていますが、その意味では博士さんは壮大なMの人ですね(笑)。
博士 ドMを自認していますから(笑)。僕がこの本の中で繰り返し書いていますが、結局、死というタイムリミットは公平にすべての人にやってくるもの。そう考えるとなにをやったってダメ、無駄だということかもしれない。だからこそ、僕は健康法という延命装置の悪あがきを、有限の人生の趣味として楽しめているわけで……。
唐沢 そうですね。ホントに健康になるっていうのは、所詮、趣味ですから。それこそ博士さんは好奇心でやっているからいいのですが、体はキレイじゃなきゃいけないとか、健康にならなくちゃいけないんだという強迫観念的に健康法をやっている人が最近あまりに多すぎる。
博士 そうなんです。そこには、俺は"壁"があると思ってます。つまり、"健康バカ""筋肉バカ"と言われ、"やりすぎ"と思われるような"境界線"が。そして、その領域に踏み込んでこそ、"異常"であり、新たに本を書くなら、そこを乗り越えなければならないという使命もあるんです。その姿を読者に「バカだな〜」と楽しんでもらえればいいんだけど、正直、突き進みすぎると自分でも行き先すらわからなくなる(笑)。
唐沢 そんなもの人類の使命でもなければ、人生の目的でもないですからねぇ(笑)。結局のところ、健康になって何をしたらいいのかってことが大切なんですよ。だけど、人間って往々にして手段と目的がこんがらがってきて、やっているうちに健康になること自体が目的になりがちじゃないですか。健康になっただけではそんなによいことばかりではないのに(笑)。
博士 確かにそれはいえますね。
唐沢 むしろ健康になるために快楽を抑えようとして、食の快楽、セックスの快楽、その他いろんな快楽をどんどんなくしてしまうのは非常にバカバカしい。
博士 逆に生きる楽しみをなくしているのではないかって。
唐沢 そうそう。博士さんにはこれからもいろんな健康法に挑戦して、ぜひ続編を出してもらいたいですね。

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「書評ほどオイシイ商売はない!?」 記事一覧
  第1回 発毛・育毛
  第2回 近視矯正手術
  第3回 胎盤エキス
  第4回 ファスティング(断食)
  第5回 バイオラバー
第6回 博士の愛した加圧式
著者PROFILE
著者近影
水道橋博士 すいどうばし・はかせ (浅草キッド
1962年8月18日岡山県生まれ。
身長161センチ、体重53キロ、バスト91センチ、ウエスト79センチ、ヒップ90センチ、頭57センチ、首44センチ、足25センチ。
 1986年にビートたけしに弟子入りを果たし、翌年、玉袋筋太郎と漫才コンビ「浅草キッド」を結成。以降、テレビ、ラジオ、舞台での活躍に加えて、文筆家としても高い評価を獲得している。
 キッド名義の著書『お笑い男の星座1・2』(文藝春秋)はエンターテイメント・ノンフィクションという新たなジャンルを打ち立て、大宅壮一ノンフィクション賞の候補にも挙がる。個人名義での著書に『水道橋博士の異常な愛情』(青心社)、『本業』(ロッキングオン)。自称ルポライター芸人として、日々ペンを走らせる45歳。
著者近影
唐沢俊一 からさわ・しゅんいち
1958年北海道札幌市生まれ。カルト物件評論家。大ベストセラー『トンデモ本』シリーズを生んだ「と学会」の中心メンバー。執筆領域は古書・漫画・薬から落語・映画まで広範囲に及ぶ。どの分野でも「瑣末・無用な」「消費されてしまい残りにくい」知識やモノをあえてクローズアップし、独特の切り口で多くの支持者を持っている。学術誌からあやしげなオカルト本にまで至るその膨大な執筆ペースは独自かつ脳天気な日本文化史観を構成しており、業界人にもファンが多い。パソコン通信の時代から現在にいたるまで、ネットの世界での活躍も知られている。アスペクトから刊行している人気シリーズ『社会派くんがゆく!』をはじめ、『ウラグラ!〜ベスト・オブ・裏モノの神様〜』、『裏モノ日記』が好評発売中。またWebマガジン 社会派くんがゆく[RETURNS]では村崎百郎氏と宇宙最強!? 切り捨て御免の社会時評を展開中。近著『とても変なまんが』(早川書房)、『カラサワ堂変書目録』(学陽書房)、『トンデモ一行知識の逆襲』(大和書房 )などがある。その精力的な活動の詳細は「唐沢俊一『一行知識』ホームページ」へ。