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水道橋博士
×唐沢俊一
特別対談「博士の異常な健康」鑑定!
第2回 近視矯正手術
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第2回 近視矯正手術
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  第4回 ファスティング(断食)
  第5回 バイオラバー
  第6回 博士の愛した加圧式
書籍DATA
博士の異常な健康

博士の異常な健康
水道橋 博士 著
四六判・並製・306ページ
ISBN 4-7572-1248-8
定価 1,365円
 
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 稀代の健康マニア=水道橋博士(浅草キッド)が贈る、前代未聞の「異常」な健康読本がついに完成!

 博士がすべて自ら体験取材して書き下ろした本著は、目から鱗の一冊になること間違いありません!

 『健康本とは、死をゴールと見据えた「遺書」であり、生への執着を後世に残す「医書」である。そして、この本の目指すところは、完全なる実用書であり、有限の貴方の余命すらも、劇的に変えうる可能性もある、“平成の解体新書”を自負するものだ』。
 
博士 続いて、「近視矯正」についてお話を伺いたいんですが、唐沢さん自身はこの手術に興味ありますか?
唐沢 ありますね。やっぱり仕事が仕事なんで、僕も目はかなりやられています。
博士 昔は手術を受けるのに、30歳までという年齢制限があったんですけど、今はそれもなくなっていますから、唐沢さんもやってみてはいかがですか?
唐沢 やりたいんですけどね。実は以前、知り合いの眼科さんのところで、角膜を人工角膜に置き換える手術のビデオを見せてもらったことがあるんです。その映像がすごくって……。角膜ってホタテの貝柱みたいな作りになっていて、それを掃除機のちっちゃいヤツで「ズズズズ〜」って吸い取っていくんですよ。あれを見てから完全に怖じ気づいちゃった(笑)。
博士 うわ〜(笑)。でもそれを言うなら、僕がやったRK手術もメチャクチャ怖かったですよ! 意識がはっきりしている状態で、角膜にメスで切れ目を入れますから。まさに『時計じかけのオレンジ』のワンシーンと同じ。その時の恐怖感は今でも忘れられないですね。
唐沢 ただ正確には目の角膜には神経がないので、痛みは感じないはずなんですよ。例えば谷崎潤一郎の『春琴抄』の中に、恋人と同じ盲人になるために自分で目に針を突き刺す描写があるんですけど、そこで書かれている通り、痛みを感じることなく、ただいきなり視界がスッと真っ暗になるらしいです。
博士 じゃあ、その描写は想像の世界ではないんだ。
唐沢 そうなんですよ。あれはどこで取材したのかは知らないんだけど、医学的に見ても正しい。そんなのを読んじゃうと、いくらレーザーとはいえ、角膜にメスを入れるのはどうしても気味悪さの方が先にたっちゃいますよね(笑)。
博士 多くの人がそういう恐怖心を持っているからこそ、近視矯正手術は世間になかなか定着しなかったんでしょうね。
唐沢 完全に心理的な嫌悪でしょうね。『アンダルシアの犬』じゃないけども、やっぱり目に刃物っていうのは取り返しがつかないんだなっていう恐怖がありますから。
博士 ただ、今までの臨床例を見てみると、あらゆる手術の中でも非常に安全なものだとわかるし、たとえば盲腸手術なんかの方がよっぽど合併症とか起きていますよ。
唐沢 それこそメスを入れる範囲も小さいし、目というものがそもそも涙で常に殺菌をされているので、細菌などに感染する可能性も極めて低いんですしね。
博士 ただ近視矯正手術に対しては、これだけ安全なのにも関わらず定期的に叩き記事みたいなものが出てきますよね。それなんかも、医学的見地からの警笛というより、業界的な圧力という色合いが強いんじゃないのかな。メガネ業界が大打撃を受けるじゃないですか、ものの10分の手術で半永久的に近視が治るんであれば……。
唐沢 それもあると思うし、やっぱり日本人には体にメスを入れてはいけないっていう儒教的な考え方がまだ根強く残っているんでしょうね。アメリカなんかだと、ショービジネスの世界では美容整形は当たり前になっているけど、日本だと「芸能人の整形疑惑」というように、依然としてネガティブな捉え方をされているじゃないですか。
博士 僕は芸能人にとって、整形は“手の込んだメイク”だと思いますよ。もともと、僕らは15年前に『浅ヤン』って番組の「整形シンデレラ」で、テレビの整形解禁に貢献した張本人でもあるんですよ(笑)。でも、よく言う「身体髪膚 之を父母に受く、敢へて損傷せざるは孝の始めなり」というのは、儒教の基本的な教えですよね。だからこそ、儒教的な縛りのより強い韓国で、何故あそこまで整形がオープンなのか不思議なんですけど……。
唐沢 確かにあれはよくわからない現象ですよね。
博士 近視矯正手術の最新事情を言えば、今数の上では、LASIK方式が主流なんですけど、僕は今回取材してみて、むしろスーパーPRK方式の方がより先進的なんじゃないかなと思ったんです。
唐沢 ほー、それはまた何故?
博士 RK手術を受けて生活にまったく支障のない0.6位まで回復したんですけど、この視力だとテレビの仕事でカンペを読むには少し辛いんです。なので、もう一度取材も兼ねてLASIKを受けようとしたら、専門医からそれは無理だって言われて……。でもさらに調べてみたら、スーパーPRKという方式は角膜への負担が小さいので、過去にRK手術をした人でも再手術が可能だってことがわかったんです。もし続編が出来るなら、そのあたりも体験レポートしようと思っています。
唐沢 ぜひ知りたいところですね。多頭競争で技術が進歩していくっていうのが、ほとんどなかった分野ですからね。
博士 ですね。わかりました。じゃあ、ここもトンデモ本の要素はなさそうかな。
唐沢 大丈夫ですね(笑)。過去に曽野綾子さんが白内障の手術を受けて失明の危機から救われたというニュースが大々的に報道されたことがあって、それで日本人の目の手術に対するコンプレックスがなくなったと言われているんです。なので、むしろ博士さんのような有名人の体験記っていうのは、今後の普及を考えた時、すごく価値のあるものだと思いますよ。
博士 公開包茎手術でその先鞭はつけましたから(笑)。

つづく


「書評ほどオイシイ商売はない!?」 記事一覧
  第1回 発毛・育毛
第2回 近視矯正手術
  第3回 胎盤エキス
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  第5回 バイオラバー
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著者PROFILE
著者近影
水道橋博士 すいどうばし・はかせ (浅草キッド
1962年8月18日岡山県生まれ。
身長161センチ、体重53キロ、バスト91センチ、ウエスト79センチ、ヒップ90センチ、頭57センチ、首44センチ、足25センチ。
 1986年にビートたけしに弟子入りを果たし、翌年、玉袋筋太郎と漫才コンビ「浅草キッド」を結成。以降、テレビ、ラジオ、舞台での活躍に加えて、文筆家としても高い評価を獲得している。
 キッド名義の著書『お笑い男の星座1・2』(文藝春秋)はエンターテイメント・ノンフィクションという新たなジャンルを打ち立て、大宅壮一ノンフィクション賞の候補にも挙がる。個人名義での著書に『水道橋博士の異常な愛情』(青心社)、『本業』(ロッキングオン)。自称ルポライター芸人として、日々ペンを走らせる45歳。
著者近影
唐沢俊一 からさわ・しゅんいち
1958年北海道札幌市生まれ。カルト物件評論家。大ベストセラー『トンデモ本』シリーズを生んだ「と学会」の中心メンバー。執筆領域は古書・漫画・薬から落語・映画まで広範囲に及ぶ。どの分野でも「瑣末・無用な」「消費されてしまい残りにくい」知識やモノをあえてクローズアップし、独特の切り口で多くの支持者を持っている。学術誌からあやしげなオカルト本にまで至るその膨大な執筆ペースは独自かつ脳天気な日本文化史観を構成しており、業界人にもファンが多い。パソコン通信の時代から現在にいたるまで、ネットの世界での活躍も知られている。アスペクトから刊行している人気シリーズ『社会派くんがゆく!』をはじめ、『ウラグラ!〜ベスト・オブ・裏モノの神様〜』、『裏モノ日記』が好評発売中。またWebマガジン 社会派くんがゆく[RETURNS]では村崎百郎氏と宇宙最強!? 切り捨て御免の社会時評を展開中。近著『とても変なまんが』(早川書房)、『カラサワ堂変書目録』(学陽書房)、『トンデモ一行知識の逆襲』(大和書房 )などがある。その精力的な活動の詳細は「唐沢俊一『一行知識』ホームページ」へ。