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BookEnd形式
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ニューボーイ・オールドボーイ
高坂結城 著
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| 父親の作った借金の担保として、葵は帝という男に差し出されることになった。せっかく合格した高校ではなく、山奥の全寮制高校に通わなくてはならないのが、担保の葵に求められている条件だ。どんな学校かと不安に思っていた葵だが、まるで英国のパブリックスクールのように立派な所で、ルームメイトの詠生はとても優しい。信じられないくらい楽しい学園生活を送る葵だけど、詠生が帝の身内と聞かされて──。 |
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常に何かに守られていると思った自分だが、詠生という人間がいてこそ自分は守られているのだ。この頃の葵には、そう思い至るだけの余裕ができた。 日々の時間の大半を一緒に過ごす詠生がいてこそ、こうやってなんの悩みも苦しみもなく、楽しい毎日を送っていられる。そのことに、早いうちに気がつくことができてよかったとも思うのだ。 「詠生……」 放課後のけだるい時間を、ベッドに身体を預けてうとうとまどろんでいた葵は、机について勉強している詠生に声をかけた。 「何――?」 詠生が振り返って葵を見てくれる。なぜだか、おざなりに返事をするということが詠生にはない。いつでも葵が望めば、瞳を、手を、差し出してくれるのだ。 「俺……詠生と逢えてよかったよ…。一緒の部屋になれて、よかった……」 「僕も、葵と逢えてよかったよ」 「ほんと?」 「ほんとだよ」 クラスでは無口な詠生が、こうして葵のたわいない問いかけにも応えてくれる。そんなささいなことが、今の葵には無性にうれしい。 「詠生のやりたいことって……見つかった?」 「…見つかったと思う」 「そう。…いつかそれ、教えてくれるよな?」 「約束するよ」 「うーん…。メシの時間になったら起こして…。ひとりで行ったりしたら、怒るぞー…」 「はいはい」 「なんか、嘘みたいだ…。バイトしなくていいし…メシ作らなくてもいいし…。詠生もいてくれる……」 「―――」 何も言わないけど、詠生が微笑んでいるのはわかる。 葵は気持ちよさそうに目をつぶった。 「あとは……」 あとは、父さんが元気でいてくれさえすれば……。
*この続きは製品版でお楽しみください。 |
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