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Dolls〜球体関節人形〜 第四話・まりあの秘密
車取ウキヨ 著
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名門私立高校に通う美少女・風香は、ある日親友のまりあから球体関節人形「B.D.(ブリリアントドール)」をみせられる。パソコンで色んなタイプの「B.D.」をみていくうちに、二人は偶然、風香にそっくりな幼女型の「B.D.」を発見してしまう。風香の脳裏に浮かぶある日の情景――6歳の自分、ピンクのフリルワンピース、男の手、そして髪……。しかし、これはとある事件の幕開けに過ぎなかった――。 本格サイコサスペンスにゴシック&ロリータを取り入れた斬新なゴスロリ小説がついに登場!! 第4話。 |
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「やあ、いらっしゃい」 色白で端正な顔立ちの佐竹が、チェーンを外してドアを開けた。 ピシっとアイロンがかけられた、まっ白なシャツを着ている。
佐竹の顔を見たとたん、まりあの背筋が凍りつき、引き返したくなるのを懸命にこらえた。 「もう来てくれないかと思ってたよ。……どうぞ、入って」 佐竹がにこやかに招いた。 「こ……これ」 やっとそれだけ言うと、まりあは弁当の入った紙袋を差し出した。 「ははっ、本当に作ってきてくれたんだ。嬉しいなぁ。……ボクもね、キミのために水出しコーヒーを入れてるんだ」 佐竹の部屋は、神経質なまでに整理されていた。 すべての家具や物が、定規を当てたようにきっちりと配置されており、リモコンなども、テーブルのラインと並行に並べられている。 カウンターキッチンの上に、高さが50センチはある美しいガラスの機具が置かれていた。 細い管を伝い、ゆっくりと琥珀色《こはくいろ》の液体がドリップされてゆく。 佐竹はフラスコにたまったコーヒーの量をチェックし、 「まだしばらくかかりそうだね。……座って」 磨き上げたガラスのコーヒーカップを、塵《ちり》一つないガラスのテーブルにセットした。 「で、なんだい? 頼みって」 「……友だちが、困ってて……」 まりあは、昨夜『ハンター』を見つけてからのいきさつを話し始めた。
「ふうん。で、ボクにハンターのメルアドを突き止めて欲しいんだね」 まりあはうなずいた。 「たぶんやれると思うけど……。分かってる? ハッキングは犯罪だよ」 佐竹の唇の端が上がった。 まりあは思わずこぶしを握りしめる。 「おまえが……それ言うのかよ」 小声でうめくようにつぶやいた言葉を無視し、佐竹は何食わぬ顔でフラスコからコーヒーをそそいだ。 「どうぞ」 「お願い、します……」 まりあは、昨夜腕の中で震えていた風香を思い、奥歯をかみしめて頭を下げた。 だが佐竹はうっすらとほほ笑んだまま、 「リスクの見返りって、あるのかな?」 と、聞いてきた。 まりあはカッとなって立ち上がった。 「もういい! 帰る!」 佐竹がまりあの腕をつかんだ。 「待ちなよ。冗談だよ」 「離せよ!」 まりあは佐竹の手をふりほどいて玄関へ向かった。 「明日までに調べておくよ」 佐竹がまりあの背に向かって声をかけた。 「お弁当のお礼にね」 まりあは、佐竹の声を追い払うように外に飛び出した。
*この続きは製品版でお楽しみください。 |
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